夏場まで1ドル120~125円で値固め
8月にも130円を目指す動きか
ドル円チャート(月足)によれば、次の節目は2015年6月の高値である125.8近辺。ここを突破すれば、2002年5月の高値である129.1近辺と130円ちょうどが視野に入る。
ただ、ドル円が、ここから一気に125円をしっかりと上抜け、130円を目指す展開にはなりにくいとみている。今回(3月)の大相場で、為替市場関係者の多くがドル円上昇の達成感を抱いても不思議ではないからだ。
FRBによる利上げペースが、一部市場関係者が期待するほど急ピッチにならない可能性もある。例えばロシアがウクライナから撤退するなどによって、高騰した資源価格が低下すれば、FRBが景気悪化リスクをとってまで利上げを続ける理由はなくなる。米利上げ期待が後退すれば、ドル買いポジションをいったん解消する動きも強まり、結果としてドル円も115円台程度まで下落に向かうこともあるだろう。
一方、ウクライナ情勢の先行き不透明感は依然として強く、持ち直しの様相を強めている米国株が、再び調整色を強めることも否定できない。この場合、利上げ期待が一転して、世界景気の先行き懸念が強まり、円を買い戻す動きが続く展開も期待される。NATOがロシア軍と交戦状態に入り、第3次世界大戦が視野に入るようだと、リーマン・ショック時と同じようにドル円が下落基調を強めることも否定できない。ちなみに2007年6月に123.9円まで上昇したドル円は、2008年3月に100円割れ。その後ドル円は、110円付近まで持ち直したが、同年12月に87.8円まで下げた。
ただし、ドル円の上昇がいったん止まることはあっても、円安・ドル高基調が一気に巻き戻される展開は、あくまでリスクシナリオとすべきだろう。第3次世界大戦といった予想外の展開が回避されるのであれば、日米の金融政策格差は、今年のメインテーマとして続くとみられるからだ。
一気に上昇したドル円は、5月の連休明けから夏場くらいまで120-125円の高値圏で値固めし、早ければ8月にも130円を目指す動きを試みるのではなかろうか。
(クリプトキャピタル チーフ・リサーチ・オフィサー 日枝千代)



