西側諸国による経済制裁はロシアの金融システムをほぼ完全に寸断した。だが、一つだけ大きな例外が残っている。  米クレジットカード大手のビザとマスターカードが今月、ロシア事業から撤退した後も、国内の決済システムは引き続き円滑に機能している。カード大手2社による撤退は西側では極めて大きな影響をもたらすと考えられていたが、現実にはそれに程遠い状況だ。多くのロシア市民にとって、国内での支払いについては、マスターカードやビザが発行したカードが使えなくなることは一度もなかった。