握手写真はイメージです Photo:PIXTA

副業解禁やリモートワークの普及によって、人々の働き方や転職に対する考え方が多様化している。そんななか、省庁や地方自治体が民間企業出身のビジネスパーソンを中途で採用する事例が増え、転職市場に変化が起きているという。官公庁が民間企業の人材を採用する狙いとは――。(清談社 真島加代)

3年間で2.8倍に増えた
中途採用の求人掲載数

 転職と聞くと、民間企業から民間企業への転身をイメージする人が多いだろう。しかし今、民間企業に勤務する人が官公庁・地方自治体(以下、官公庁)に入庁したり、副業で行政に携わったりするケースが増えているという。人材サービス会社エン・ジャパンの「ソーシャルインパクト採用プロジェクト」でプロジェクトリーダーを務める水野美優氏は、近年の“民官転職・副業市場”についてこう解説する。

「昔から官公庁では独自に、職員の中途採用を行っていたんです。ただ、官公庁の中途採用情報は、ひっそりとホームページ上で告知するのみで認知度が低い状況でした。しかし、5年ほど前から官公庁が当社のような民間の人材サービスの転職サイトに求人情報を掲載するようになってから“流れ”が変わりましたね」