銀行の新たな自己資本比率規制「バーゼル3」、貸出債権の見直し案を解説Photo:PIXTA

中堅中小企業向け貸出は
リスクウェイトが85%に

 連載の第3回は、2021年9月に金融庁から公表された規則案(図表)に基づいて、信用リスクの標準的手法における貸出関連の見直しについて解説する。貸出のリスクウェイト(RW)は、一部が引き下げられたり、決定方法が精緻化されたりしたほか、国内基準行向けの負担軽減措置が設けられている。

 事業法人向け債権は、現行制度では格付けに応じて20~150%のRWが適用され、無格付けであれば一律100%のRWが適用される。見直し後も、格付けに応じて20~150%のRWが適用されるが、BBB格付けの場合、RWが100%から75%に引き下げられる。無格付けの場合、新たに中堅中小企業(売上高50億円未満)というカテゴリーが設けられ、これに該当するものはRWが100%から85%に引き下げられる。そのため見直し後は、無格付けの事業法人向け債権については、債務者が中堅中小企業に該当するか確認する必要が生じる。