中国では新型コロナウイルスの感染拡大が経済を圧迫しているものの、習近平国家主席は2022年の国内総生産(GDP)成長率で米国を上回ることを目指しており、当局者らにハッパを掛けている。複数の関係者が明らかにした。習氏はここ数週間の会合で経済・金融担当の高官らに対し、経済の安定と成長を確保することの重要性を指摘した。背景にあるのは、中国共産党による一党支配体制は欧米の自由民主主義に代わる優れた選択肢であり、米国は政治的にも経済的にも衰退していることを示すことができる、との考え方だ。関係者によると、中国の政府機関は成長拡大を目指す習氏の号令に呼応し、大規模な建設事業を加速させる計画を検討している。製造業やテクノロジー、エネルギー、食品が重点分野とみなされている。個人消費の刺激に向けたクーポンの発行なども議題に上っているという。