ロシアが通貨ルーブル建てでの代金支払いを拒んだことを理由に、ポーランドとブルガリアへのガス供給を停止した。ウクライナでの戦争を巡り、ロシアと欧州の対立が先鋭化してきた。欧州当局者は、ロシアによる脅しだとして激しく反発している。27日の取引で、欧州の天然ガス価格はメガワット時当たり106.42ユーロと3.1%上昇。一時は20%余り急騰する場面があった。供給ひっ迫がさらに悪化するリスクが意識された。欧州のガス価格は3月のピーク水準からは約半分に下がったが、1年前の水準は依然大きく上回っており、ぜい弱な欧州経済に大きなインフレ圧力をもたらしている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月、欧州連合(EU)加盟国を含め「敵対国」とみなす相手に対して、ガス代金をルーブル建てで支払うよう要求。欧州諸国の大半はこれを批判し、従来の決済方法に固執している。ガス供給契約はドルかユーロ建てで決済されるのが通例だ。