米国の世界的な小売業・製造業・消費財メーカーの間で、消費者が価格上昇を吸収する意欲を失ってきている兆しが見られるとの声が出ている。たばこ「マールボロ」のメーカーであるアルトリア・グループは、ガソリン価格の上昇で可処分所得が縮小しているため喫煙者が低価格ブランドに乗り換えていると述べた。寝具大手のスリープナンバーやテンピュール・シーリー・インターナショナルは、マットレスや一部の高額製品の需要が減少してきているとした。生花などのオンラインギフトショップを運営する1-800フラワーズ・ドットコムは、消費者がインフレ率上昇への懸念などから花束への支出を減らしているとの見方を示した。新型コロナウイルス禍の大半の期間、力強い個人消費が米経済の原動力となっていた。家計が政府からのコロナ関連の支援プログラム、賃金の上昇、米労働市場の回復に支えられていたためで、失業率はコロナ禍前の水準近くまで低下した。