米連邦準備制度理事会(FRB)が資産買い入れの景気刺激効果について明確な説明ができなかったように、これから始まる保有資産の縮小を巡っても、経済にどんな影響を与えるのかは霧に包まれている。FRBは4日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、約9兆ドル(約1160兆円)相当に膨らんだバランスシートについて、6月1日から米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の償還資金の再投資を見送ることで、段階的に縮小していくことを決定した。その後、プロセスが本格化すると、月間の資産圧縮ペースは1000億ドル近くまで引き上げられる。バランスシートの縮小は、インフレ退治を目的とする金融政策の正常化に向けた両輪の一端を担う。FRBは主に金利調整を通じて金融政策運営を行うが、資産縮小も重要なツールだ。