ソフトバンクグループはハイテク株ブームをあおった過剰投資の縮図である。ここに来て市場が総崩れになる中、同社がハイテク株と運命を共にすることは避けられない。そればかりか、ソフトバンクとその株主にとって、本当の痛みを味わうのはこれからかもしれない。ソフトバンクが12日発表した2022年3月期連結決算は、約1兆7000億円の赤字となった。創業40年余りの同社にとって、これは過去最大の赤字だ。過去最高の5兆円近い黒字を計上した前年度から急転直下の転落劇となった。傘下の1兆円規模のビジョン・ファンドと第2号ファンドが1-3月期に出した投資損失が最大の足かせとなった。ファンドの通期の投資損失は3兆7388億円。設立以降の累積投資利益のほぼ半分が吹き飛んだ。
ソフトバンクを包み込むバブル崩壊の既視感
急速に崩れる投資の柱、最悪の状況はまだこれからか
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