部材変更の理想と現実
国際分業が進んだ果ての技術者vs調達担当
工業製品に組み込む部材があり、部材の幾つかが調達難になったとする。外野は、「なぜ、代替品ではダメなのか」と問う。形状も性能も優れた代わりがいくらでもあるからだ。しかし現実は、部材を変えるとさまざまな支障が出る。
例えば、「部材を変えても動作は同じか」「絶対に品質は同等と証明できるか」「他のシステムに影響を与えないか」――多くの疑問が呈される。
いずれの疑問も深刻だ。技術者は、ある特定の機能しか設計を担当していないことが多い。だから部材変更に関して、全体の機能に影響がないかを判断できない。
とりわけ国際分業が進んだ近年、この傾向がますます顕著になっている。技術者は、「たぶん…恐らく…置き換えても問題がないと思います…ただ、あくまで個人的にそう思うだけで…保証はできません! だから部材を変更するのは許されないのでは?」といった回答になりがちだ。
こうして、22年前に筆者が泣く泣く謝罪したのと同じように、令和の今も、じくじたる思いで、既存取引先に頭を下げ続けている調達担当者が大勢いる。世間が思うよりも、既存の部材を変更するのは困難がつきまとうのだ。



