アメリカ貿易米国でサプライチェーンの混乱が長引き、最近のインフレ急進にもつながっているが、この背景には供給力を高めるはずのコンテナや鉄道、トラック業界の規制緩和がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

長引くサプライチェーンの混乱
輸送・物流が供給制約要因に

 コロナ・パンデミックから2年以上が経過したが、現在もグローバル・サプライチェーンの混乱は続いている。ウクライナでの戦争と対ロシア経済制裁が、さらにそれに拍車をかけている。

 とりわけ米国では、コンテナ輸送や鉄道、トラックによる物流がターミナルでの集中や人手不足などで目詰まりし、遅延、品不足、コスト上昇はかつてなかった水準となり、収束の見通しは立っていない。

 供給制約で、米経済に急ブレーキがかかった状況だ。

 サプライチェーンが構造的に目詰まりを起こしている理由の一つは、多年にわたる新自由主義の規制緩和政策による業界再編がある。

 供給力を高めるはずの規制緩和が、供給制約のもとになる皮肉はなぜ起きたのか。