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「ウチで、はじめて退職代行を使われちゃったよ」と教えてくれたクライアント企業。よく話を聞くと、「リベンジ退職」にも遭っていそうだ。なぜリベンジ退職は増え、注目されるのだろうか。その選択が後のキャリアにもたらすリスクとは――。(未来調達研究所 坂口孝則)
退職代行かつリベンジ退職に
翻弄される兵庫県の企業の話
「ちょっとミーティングを延期してくれないか」。先日、クライアントから連絡が入った。どうも社内が混乱しているらしい。理由はワケありの退職者が出たこと。そのクライアントは兵庫県の企業で、「ウチで、はじめて退職代行を使われちゃったよ」と教えてくれた。
退職代行とは、辞める本人に代わって退職の意思を会社へ伝えて手続きを代行するサービスのこと。利用料は約2~5万円が相場というから手頃なのだろう、特に若い人の間で需要が急増していると報じられてきた。一方で、退職代行大手モームリの社長が弁護士法違反で起訴されたことをはじめ、非弁行為として法律的にグレーだとの認識が高まっている。
先のクライアントの話に戻ろう。大企業は往々にして退職者も出るし突然の病欠者も出る。従業員ひとりが欠けても業務は回る仕組みになっている職場も多い(それが理想だ)。ところが今回、その退職者が一切引継ぎの資料を残していなかったことがマズイという。
「あえてデータを消して会社を去ったのかもしれない」とのこと。外部と進めていたプロジェクトのデータや各種の細かな資料まで、何も残っていないから何も分からない、だからもう打ち合わせどころではない、というのだ。
このような行為は最近、「怒りの退職」(Loud Quitting)あるいは「リベンジ退職」と呼ばれ、世界的に注目を集めている。組織から受けた不当な扱いや処遇を理由に、組織に意図的に打撃を与える。重要データを消したり、経済的な損害を与えるSNS投稿をしたり、もっと直接的だと何かを盗んだりコピーしたりする。
少し前に、「静かなる退職」(Quiet Quitting)が話題となった。これは実際に退職するわけではなく、気持ち的に職場から撤退する試みで、最低限の仕事しかしない。組織に対するささやかな抵抗だ。
それが一転、積極的に騒ぎを起こすリベンジ退職が頻発し注目を集めるのは、なぜだろうか。







