これは現在の米国文化について何か大きなことを語るエンターテインメント現象なのだろうか。トム・クルーズさんを見るために多くの人が映画館に足を運んでいるのは間違いないだろう。彼は1986年公開のオリジナル版「トップガン」に引き続き、米海軍の戦闘機パイロット、ピート・”マーヴェリック”・ミッチェルを演じている。ただ、この週末の興行収入は、「ミッション:インポッシブル」シリーズなどクルーズさん主演の他のヒット作も上回った。1作目から30年以上たってから続編を成功させるのは簡単なことではない。マーヴェリックは国籍が明かされない敵と戦うために戦闘機パイロットを訓練するのだが、中国の出資者はこの映画の親米的な傾向を理由に撤退したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報じている。製作者たちは議論の末、マーヴェリックのボンバージャケットから台湾の旗と日本の国旗を消すことを拒否したという。中国での興行収入のために共産党をなだめることをいとわないハリウッドの低い基準からすれば、これは勇気ある行為だと言えよう。
【社説】「トップガン」文化と米国の現実
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