米IT大手を破壊する上院法案Photo:Chesnot/gettyimages

 議会や規制当局の動きが速過ぎると破壊を招く。しかし、大手ハイテク企業を罰する法案を推進する米上院の超党派グループにとって、破壊こそが主な狙いのようだ。法案はほとんど審議されていないが、民主党のチャック・シューマー院内総務はすぐに採決したいと考えている。

 巨大企業は常に技術の激変期に現れてきた。しかし競争や事業上の過ちなどが原因で、その優位性は時間とともに薄れていった。ゼネラル・モーターズ(GM)、シアーズ、ゼロックス、IBMを見れば分かる。大手ハイテク企業の株価が今年に入り、成長鈍化と金融引き締めの影響もあって急落していることに留意すべきだ。

 上院司法委員会は1月、名称とは裏腹な内容の「米国イノベーション・選択オンライン法案」を可決した。賛成16票、反対6票だった。法案は共和党議員6人が共同提案した。一部の共和党議員は中小企業の擁護者を装いつつ、保守派を検閲しているとしてハイテク企業を攻撃したがっている。