ロボット導入進む鉱山、足りない労働者西オーストラリア州にあるリオ・ティントのグダイ・ダリ鉱山のコンベア RHIANNON HOYLE/THE WALL STREET JOURNAL

【グダイ・ダリ(オーストラリア)】低木や赤い岩石に囲まれた西オーストラリア州の人里離れたこの地で、世界第2位の鉱山会社リオ・ティントが同社としては技術的に最も進んだ鉄鉱石鉱山を開発した。

 ただ、新しいハイテク事業に従事する労働者を見つけることは難題だ。

 オートメーションは鉱山会社の事業効率化を助け、新型コロナウイルス流行に伴う混乱を避けるのに役立った。国境が突然封鎖されたことで、それまで遠くから空路で出稼ぎに来ていた労働者が働けなくなった。しかし、事業を円滑に運営するために依然として多くの人員を必要とするこの業界は、より広範な労働者不足に直面している。鉱山会社の投資は問題の解決にほとんど役に立っていない。

 ある意味では、オートメーションが事態を悪化させている可能性がある。かつて機械操作などを労働者に依存していた世界の鉱山会社は、今ではデータ分析や人工知能(AI)などの専門技能を持つ労働者を求めて競争しなければならなくなっている。他業界との人材獲得競争は賃金を押し上げるリスクがあり、国際商品(コモディティー)価格の上昇を通じてそれが顧客に波及すれば、世界のインフレを加速させることになる。