あ写真はイメージです Photo:PIXTA

 スマートウォッチにより、新型コロナウイルスに感染したかどうかが分かる日が来るかもしれない。皮膚温や心拍数、呼吸数の変化をモニタリングできるウェアラブルアクティビティトラッカー(活動量計)に人工知能(AI)を組み合わせることで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症前に感染を特定できる可能性が、新たな研究で示唆された。Dr Risch Medical Laboratory(リヒテンシュタイン)のLorenz Risch氏らが実施したこの研究の詳細は、「BMJ Open」に6月21日掲載された。

 この研究では、Avaブレスレットと呼ばれるウェアラブルデバイスで測定可能な生理学的パラメーターの変化から機械学習のアルゴリズムを構築し、新型コロナウイルス感染を予測できるか否かが検証された。Avaブレスレットは3つのセンサーで5つの生理学的パラメーター(呼吸数、心拍数、心拍変動、手首の皮膚温、および皮膚灌流圧)を測定できるほか、睡眠時間と睡眠の質もモニタリングできる。

 対象者は、リヒテンシュタインで2010年に開始され現在も継続中の観察研究の参加者から抽出した1,163人(平均年齢44.1歳、女性57%)。対象者は夜間にブレスレットを着用し、また、アルコールや薬剤の使用など生理学的パラメーターに影響する可能性のある行動や、COVID-19に関連する症状についてアプリで報告した。