中ロが賭ける「グローバルサウス」Photo:Mikhail Svetlov/gettyimages

――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJの元「Capital Journal」コラムニストでエグゼクティブ・ワシントン・エディター。現在は戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアメンター

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 先日開かれた親ロシアの金融カンファレンスに登場したウラジーミル・プーチン露大統領は、いつも通り率直で自信に満ちていた。ロシア経済は西側諸国からの制裁に持ちこたえているだけでなく、プーチン氏のウクライナ侵攻に対する世界の反応であらわになった国際関係の大きな変化を米国とその同盟国が逃していると言明した。

「地球上で新しい強力な中心勢力が形成されていることに彼らは気づいていないようだ」。プーチン氏はこう語った。「国際関係のシステム全体の革命的な変化のことだ。これらの変化は根本的かつ極めて重要だ」

 この宣言は多くの点で、プーチン氏のウクライナ侵攻の中心で行われているとてつもなく大きい、世界的な賭けを捉えている。同氏は、自らの残忍なウクライナ侵攻によって、伝統的な東西関係において、恐らく恒久的に大きく地歩を失ったことを十分認識している。それでも、南北の軸線に沿って新たな外交・経済・安全保障上のネットワークを構築することで、それを埋め合わせることに賭けている。

 この構想におけるプーチン氏の重要な味方は、もちろん中国だ。中国も長年、その同じ南北軸に沿って取り組みを進め、アジア、中南米、アフリカに貿易や投資を雨あられと降り注いでいる。これらの国々は世界経済や外交で大きな役割は果たしていないが、その多くは戦略的な貿易ルートに位置する急成長市場であり、クリーンエネルギー技術への転換に必要な重要鉱物を保有している国もある。