鳥貴族Photo:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の居酒屋チェーン編だ。

居酒屋各社、前年超えでも「絶好調は誤解」

 居酒屋チェーンの主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯コロワイドグループ(コロワイド)の既存店売上高
 4月度:前年同月比117.2%(17.2%増)
 5月度:同123.8%(23.8%増)
 6月度:同121.1%(21.1%増)

◯ワタミの国内外食事業(既存店)
 4月度:前年同月比129.5%(29.5%増)
 5月度:同159.2%(159.2%増)
 6月度:同150.1%(50.1%増)

◯鳥貴族の既存店売上高
 4月度:前年同月比208.7%(108.7%増)
 5月度:同1648.4%(1548.4%増)
 6月度:同643.8%(543.8%増)

◯天狗グループ(テンアライド)の既存店売上高
 4月度:前年同月比168.9%(68.9%増)
 5月度:同207.7%(107.7%増)
 6月度:同267.6%(167.6%増)

 6月度において、今回取り上げている4社全てが前年実績を超えている。特に、鳥貴族は643.8%(543.8%増)、天狗は267.6%(167.6%増)とかなり数値が大きい。鳥貴族は既存店売上高が前年同月の6.4倍、天狗は2.6倍を超える伸びを示している。

 今は新型コロナウイルス感染拡大「第7波」が猛威を振るっているが、6月は第6波との狭間に当たっていた。また、昨年10月に緊急事態宣言が解除されて以降、街の人出が増加し、居酒屋チェーンは回復基調にあった。

 しかし、居酒屋業界は本当に「絶好調」なのだろうか?残念ながら、そうとは言えない。

 月次を時系列で確認していくと、居酒屋業界各社の売上における「実態」が見えてくる。