コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、コロワイド、ワタミ、大庄の「居酒屋」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
居酒屋3社は前年同期比増収
コロナ前比での回復度合いは?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の居酒屋業界3社。対象期間は21年12月~22年3月の直近四半期(大庄は21年12月~22年2月期、その他2社は22年1~3月期)としている。
各社の増収率は、以下の通りだった。
・コロワイド
増収率:6.7%(四半期の売上収益459億円)
・ワタミ
増収率:23.2%(四半期の売上高177億円)
・大庄
増収率:20.4%(四半期の売上高91億円)
※ワタミは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
居酒屋業界3社は、いずれも前年同期比で増収だった。長引くコロナ禍で厳しい戦いを強いられているが、新型コロナウイルス感染拡大前の水準と比較するとどこまで回復しているのか。また、業界の置かれた環境を踏まえると、コロナ以外にも課題が見えてくる。
次ページでは、時系列データを踏まえて詳しく解説する。