コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はセブン&アイ・ホールディングスやローソンなどの「コンビニ/スーパーマーケット」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
セブン&アイが約6割増収
ローソンも約4割増収と好調
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のコンビニ/スーパーマーケット業界4社。対象期間は2022年2~6月の直近四半期(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは22年4~6月期、その他3社は22年3~5月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・セブン&アイ・ホールディングス
増収率:57.3%(四半期の営業収益2兆4473億円)
・ローソン
増収率:40.5%(四半期の営業総収入2378億円)
・イオン
増収率:2.3%(四半期の営業収益2兆2032億円)
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテなど)
増収率:4.6%(四半期の売上高4608億円)
※ローソンは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適用していない。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は前年同期の実績を6割弱も上回る大幅増収となった。ローソンも4割超の増収だったが、その背景には何があったのか。
次ページでは、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、セブン&アイ・HDの増収要因について詳しく解説する。