世界反ドーピング機関(WADA)は2023年の禁止物質リストに大麻を引き続き掲載するもようだ。リストの草稿を見た関係者が明らかにした。米陸上女子短距離のシャカリ・リチャードソン選手が昨年、大麻の成分の陽性反応が出たため資格停止処分を受けたことから、これについて抗議の声が上がっていた。禁止物質リストは今月中に開かれる会議で最終決定する可能性が高い。大麻が引き続きリストに掲載されれば、WADAの薬物検査を受けることになっている選手に大麻の陽性反応が出た場合、その選手は引き続き資格停止処分の対象になることを意味する。この問題は、大麻を巡る緊張の高まりを浮き彫りにしている。大麻は一部の国で医療や娯楽の目的で合法的に使用されるようになってきているほか、大麻が運動能力を高める効果があるかについては論争となっている。