ロシアの極右政治家、ウラジーミル・ジリノフスキー氏は昨年12月、議会の閉会にあたり、演説である予測を唱えていた。同氏は政府が内々に考えていることを暴露することが多い人物だ。ウクライナとの戦争が2月22日の夜明け前に始まる――。今年4月に新型コロナウイルス感染で死亡したジリノフスキー氏は、こう予想した上で、その結果として「ロシアは再び偉大な国になるだろう」と息巻いた。「誰もが口をつぐみ、われわれを尊敬せざるを得なくなる」欧州に第2次世界大戦以降、最も破滅的な流血の惨事をもたらす引き金となったウクライナへの侵攻は、ジリノフスキー氏の予想から2日後に始まった。しかし、すでに7カ月目に突入したこの戦争は、強国ロシアの復活どころか、ロシアの弱点をまざまざと露呈させた。