イタリア総選挙で勝利が確実になり、次期首相に就任するとみられる「イタリアの同胞」のジョルジャ・メローニ党首を待ち受けるのは、経済や外交に関する厳しい制約に立ち向かいながら、右派勢力と協力してイタリアの新たな航路を切り開くという課題だ。多額の債務を抱えて成長が低迷しているイタリアにとって、減税の余地は限られている。一方で、エネルギー危機やリセッション(景気後退)を回避するには、欧州連合(EU)との緊密な協力が欠かせず、国家主義路線に傾斜してEUと距離を置くのは難しい。「イタリアの同胞」は25日に実施された選挙で約26%の得票率を獲得し、第1党となった。移民や同性愛者の権利といった文化的アイデンティティーの問題では強硬派として売り込む一方、経済・外交面ではおおむね既存勢力寄りの政策を重視する考えを示してきた。財政健全化に取り組むことを約束したほか、欧米の対ロシア制裁やウクライナへの軍事支援を支持する方針を掲げた。