高校の始業時間を遅くすることで、10代の若者が抱えている精神衛生上の問題に対処できる可能性がある。このような見方が、睡眠研究者や心理学者の間で増えている。最近の研究によると、ティーンエージャーは思春期に起こるホルモンの変化により、就寝と起床の時間を遅くする生物学的な必要性があるという。しかし、米国の公立高校の始業時間は過去15年間で少しずつ早まっており、10代の若者の睡眠時間は医師が必要と考える最低8時間よりも短くなってきている。学術誌「スリープ」に掲載された5000人超の生徒を対象にした研究によると、始業時間が遅い学校に通う高校生は、十分な睡眠をとっている可能性が高いという。十分な睡眠がとれていないティーンエージャーは、精神衛生上の問題や問題行動を起こすリスクが高い、と研究者や精神衛生の専門家は指摘している。