――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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金利上昇は銀行にとって朗報だが、懸念材料にもなる。欧州の大手2行が25日に発表した第3四半期決算は、その対照的な事例となった。
中国系の英金融大手HSBCホールディングスとスイス金融大手のUBSグループでは、いずれも純金利収入(NII)が改善したが、先行きについて両行の見解は分かれた。HSBCの貸倒引当金を見ると、同行は経済状況が厳しくなる可能性に備えており、株主還元の余地が限られていることが分かる。HSBCの株価は、欧州時間午前の取引で6%近く下落した。一方、UBSは予想を上回る利益を計上し、自社株買いを通じたキャッシュリターンを増やした。これを受けて、同社の株価は約6%上昇した。
中央銀行の人々は、基準となる金利を引き上げることで、インフレを抑え込もうとしている。大半の貸し手にとって、それは何年にもわたる超低金利からの歓迎すべき変化だ。超低金利の状況下では、彼らが融資から稼ぐ額と預金に対して払う利息の差をおおよそ意味する、いわゆるNIIが落ち込んでいた。HSBCとUBSは米国の金利の影響を受けるが、欧州やその他地域の金利の影響も受ける。両行の第3四半期のNIIは前年同期比で増加した。UBSは見通しを引き上げた。一方、HSBCは2022年については楽観的な見方を示したが、2023年については見通しを引き下げた。