――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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今週は半導体業界にとって強弱まちまちのニュースが飛び出したが、明確なこともある。それはコスト削減圧力が高まる米ハイテク大手が業界の目先の業績を握っているという点だ。
エヌビディアとマイクロン・テクノロジーの半導体大手2社による16日の発表は、2つの異なる構図を描き出した。エヌビディアの四半期決算は、主力のデータセンター向け事業とビデオゲーム向け事業の業績が市場予想を上回った。同社は両事業の新製品を理由に、2023年についての明るい見通しを打ち出した。一方のマイクロンは、来年は半導体メモリーのDRAMを減産すると表明した。パソコンやスマートフォンなど主な半導体市場の急速な悪化による供給過剰に対処するためだ。10年余り前からマイクロンを調査対象としているモルガン・スタンレーのジョセフ・ムーア氏は、これを「前例のない」動きだと評した。
両社の発表を総合すると、半導体業界はまだ低迷状態にあり、回復時期は見通せない。エヌビディアが余剰在庫の処理を続ける中、ゲーム分野の売上高は前年同期より51%減少した。一方、データセンター分野の売上高は同31%増と、前四半期の半分程度の伸びとなった。どちらの事業も11-1月期(第4四半期)は大して上向かない見込みだ。