GAFA株価下落の裏にサブスク・ECの成長鈍化、アマゾンの一線画す戦略とはPhoto:123RF

GAFAの株価が下落する中、注目したいのがアマゾンだ。ネット通販分野では倉庫の閉鎖を加速し、捻出した資金をクラウド事業「アマゾンウェブサービス」(AWS)に再配分している。そしてIBMを筆頭に、他者とのパートナーシップ契約も増やし、新しい需要創出に急いでいる。過去の成功体験に固執することなく自己変革に取り組むアマゾンの姿勢は、わが国企業にとって参考になる部分が多い。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

GAFAの株価が下落しているのはなぜ?

 最近の世界経済を見渡すと、IT先端企業が主な収益源としてきたサブスクリプション事業やネット通販事業の成長が鈍化している。それは、GAFA(Google=現アルファベット傘下、Apple、Facebook=2021年10月からメタに社名変更、Amazon.com)の株価下落にはっきりと見て取れる。世界的なインフレや、米国やユーロ圏での急速な金融引き締めによる企業価値の減少リスクの高まりもあって、いっそうの株価下落も懸念される。

 言い換えれば、IT先端企業は、次の新しいビジネスモデルを構築できるか否かが問われている。中でも注目したいのがアマゾンだ。目下、アマゾンはネット通販分野では倉庫の閉鎖を加速している。そうして捻出した資金を、クラウド事業などからなる「アマゾンウェブサービス」(AWS)に再配分している。

 アマゾンは他のIT先端企業とのパートナーシップ契約も増やし、新しい需要創出に急いでいる。過去の成功体験に固執することなく自己変革に取り組むアマゾンの姿勢は、わが国企業にとって参考になる部分が多い。