1997年にセキュリティ・ソフトのAhpah Softwareを創業。2003年にマーク・ピンカス、クリス・ローらとソーシャル・ネットワーキングのTribe Networkを創業。2005年にクリス・ローとビッグデータ解析による予測・ターゲティングのAggregate Knowledgeを創業。Zyngaの創業期の投資など、個人投資家として10年以上活動。プリンストン大学コンピュータサイエンス修士。
本連載第三回はリチャード・メルモン氏のインタビューだったが、今回は同じくブルペン・キャピタルの三人のマネージング・ディレクターの一人であるポール・マーティーノ氏に、最新のスタートアップ/ベンチャー・キャピタル(VC)事情と今後の展望を聞いた。
シリコンバレーの新興VCであるブルペン・キャピタルは、野球のブルペンから中継ぎ投手を出すように、多くの米国スーパーエンジェルと付き合い、そこから紹介されたスタートアップに、従来型のVCが投資する前の、シード段階後に投資するユニークな存在だ。
マーティーノ氏は高校時代に起業して以来、4社を起こしたシリアル・アントレプレナーであり、Zyngaを含むスタートアップに投資するエンジェルとしての活動も経験豊富だ。同氏は、こうした経験に加え、頭脳の明晰さと歯に衣着せぬ発言で知られる論客だ。
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激変したスタートアップ投資のエコシステムを
シリーズAクランチが襲う
昨年シリコンバレーで大きな話題に上った一つが「シリーズAクランチ」だ。スタートアップの数は増えているが、VCがシード段階の次の資金調達ラウンドであるシリーズAに出すカネは増えていない。つまり多数のスタートアップがシリーズAで金欠で餓死するのだ。数社に1社しかシリーズAにありつけないと言われるほど、危機的な問題となっている。
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