キャシー・ウッド氏の旗艦ファンド「アーク・イノベーションETF(上場投資信託)」を押し目買いした投資家は今年、痛い目に遭っている。彼らの一部はついに確信を持てなくなったようだ。主に成長志向で赤字の続くテクノロジー企業で構成され、新型コロナウイルス流行期に人気を博した同ファンドは、2022年に入って63%下落している。S&P500種指数が10月半ば以降12%上昇し、年初来の下落率を16%に縮めたのに対し、ウッド氏の旗艦ファンドは5年ぶり安値近辺で推移している。投資家は「押し目買い」の掛け声に呼応し、今年1~5月のどの月にも同ファンドに資金を流入させた。市場が急落する中でも、運用資産は18億9000万ドル(約2600億円)の純増となった。だがそれ以降、投資家の熱意は冷めつつある。続く6~11月には、6カ月のうち3カ月で資金が流出し、運用資産は7650万ドルの純減となった(ファクトセット調べ)。11月30日だけで1億4600万ドルが引き揚げられた。1日の流出額としては今年最大級の規模だった。