独政府は3月、エネルギー企業に対し、一見不可能と思われる土木作業を検討するよう要請した。通常は建設に5年以上かかる液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地(ターミナル)を年内にこの港町に建設できないかと。パイプライン部分の建設を依頼された企業の本社では、技術責任者のトーマス・フーべナー氏が部下にその問いを投げかけた。「ノーなら、ノーでいい」とした上で、こう述べた。「イエスなら、わが社に起こりうる全ての結果を踏まえた上で、約束を果たさなければならない」3日間の検討の末、全てが首尾よく行けば、クリスマスまでに完成できるという結論に達した。その後、有毒になり得る土壌や、カエルやコウモリを保護する環境規制などに対処することを余儀なくされた。また、水位の高い地下水に直面した際には、溝の水を排出し、その後に埋め戻さなければならなかった。
独LNG基地の急ピッチ建設、その舞台裏
欧州では経済を維持するため、天然ガス設備の建設が急がれている
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