【ドーハ(カタール)】サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会のために、アミーヌ・ハヤテイさんはカサブランカから飛行機でやって来た。荷物はバックパックとモロッコ代表と同じデザインのジャージーだけ。母国の試合を一度だけ見て、24時間後には帰国する予定だった。 それから10日たつが、モロッコ代表の大番狂わせが幾つか起き、ハヤテイさんはまだここにいる。 「いま起きていることはクレイジーだ」と彼は話す。「モロッコが準決勝進出? まったく新しいレベルだ」 モロッコ代表の夢のような快進撃に刺激され、何万人ものモロッコ人ファンが奇跡を目撃しようとドーハに集まっている。