政策実行の基盤が強い州政府
39州が知事と議会多数派が同一政党
就任3年目から「ねじれ議会」に対峙したのは、民主党ではオバマ大統領もそうだったが、債務上限の引き上げに手間取り、米国債が格下げになるなど、政策運営に苦労した。
バイデン大統領にとっては、公約の再起動はかなり難しいものになった(『米中間選挙、バイデン政権の選挙後を大きく変える「3つの数字」』)。
その一方で州政府の動きが活発になるのは、「ねじれ」と無縁な州が多いからだ。
中間選挙と同時に行われた地方選挙の結果、知事と議会の多数派が同一の政党である州が2州増え、全米50州のうち39州を占めた。
州政府では党派の優劣がはっきりする傾向は強まっており、米政治サイトのバロットペディアによれば、30年前の1992年には、知事と議会の多数派が同一の州は19州にすぎなかった。
当時と比べると、どちらの政党に主導権があるかがはっきりした州が大きく増えている。
知事と議会の多数派を完全に制覇すれば、党派色の強い政策が進めやすくなり、特色のある政策が実現できる可能性がある。
民主党は17州で“完全制覇”
労働組合や気候変動対策に追い風
州政府で攻勢をかけそうなのが、民主党だ。
今回の地方選挙で民主党は、州議会で1つも多数派を失わなかった。大統領が最初に迎えた中間選挙で、所属政党が州議会の多数派を1つも失わなかったのは、実に1934年以来の「珍事」だという。
それだけでなく民主党は、ミシガン、ミネソタ、メリーランド、マサチューセッツの4州で、新たに知事と議会の多数派を完全に制覇した。
これまで完全制覇だったネバダ州でこそ現職知事が敗れたが、全米では17州で民主党が知事と議会の多数派を制覇している。
このうち次の2024年大統領選挙でも重要な激戦州となるミシガン州では、現職のホイットマー知事が再選を果たした上に、州議会の上下両院で民主党が共和党から多数派の座を奪った。
民主党がミシガン州の知事と議会を完全制覇するのは約40年ぶりだ。
この結果を受けて同州では、共和党が知事と議会の多数派だった時代に作られた労働組合への加入や組合費の支払いを労働者に強制することを禁止した「労働権法」を廃止する機運が高まっている。



