全米労働者組合(UAW)のおひざ元であるミシガン州で、12年に労働権法の成立を許したことは、米国の組合運動にとっても大きな汚点だった。
同様の法律は他の州にも広がっているが、これがミシガン州で廃止された場合には全米でも初めての事例となる。
気候変動対策も、民主党が主導権を握った州政府が力を入れそうな分野だ。
ミシガン州では、ホイットマー知事が掲げてきた温暖化ガスの削減やカーボン・ニュートラルの達成目標が、議会の完全制覇によって法律で明文化される可能性が出てきた。
同様の動きは、同じように民主党が知事と州議会を完全制覇したミネソタ州でも進められそうだ。
このほか、銃規制の強化や人工妊娠中絶の権利擁護など、連邦政府ではバイデン氏が苦心している分野でも、民主党が主導権を握る州政府での取り組みが活発化しそうだ。
共和党州はバイデン政策の防波堤に
対中強硬策では連邦政府に先行
共和党にとっても、州政府は共和党独自の政策を実行する大事な足掛かりだ。
今回の選挙で共和党は、アリゾナ州では知事選で敗北、議会とあわせての完全制覇の状態を失ったが、それでも22の州で知事と議会の多数派を維持している。
数だけで比較すれば、民主党よりも完全制覇の州は多い。
共和党が主導権を握る州の第一の役割は、バイデン政権に対する防波堤だ。
バイデン政権は、ねじれ議会で法律を通しにくくなることから、規制などの行政府権限で、気候変動対策等を推進しようとする可能性が高い。
その際に、共和党が主導権を持つ州では、権限濫用などを根拠に州政府がバイデン政権を裁判に訴える動きが活発化しそうだ。
実際に、SEC(証券取引委員会)やCFTC(商品先物取引委員会)が、気候変動に関連するリスクの情報収集や開示の義務付けなどを進めようとしていること対して、共和党が主導権を握る州が、裁判で争う可能性を明言している。
対中政策では、共和党主導の州政府がバイデン政権より強硬な対応に打って出る傾向がこれまであったが、今後も新たな対中強硬策が州政府から打ち出されることが増えそうだ。
最近では、連邦政府に先駆けて、州政府が中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の公的機関での利用を規制する事例が急増している。
同様の規制を検討してきた連邦政府に先んじて先陣を切ったのは共和党が知事を務める州だった。



