新しいリーダー候補にフロリダ州知事ら
トランプ氏の対抗馬として存在感
州政府が注目されるもう一つの理由は、新しいリーダーが生まれる舞台になり得る点だ。
民主党のバイデン大統領は80歳、中間選挙後、次の大統領選への再出馬を表明した共和党のトランプ前大統領は76歳と、いずれも高齢の上に、求心力に難がある(『トランプ氏「足かせ」共和党とバイデン氏の求心力低い民主党、大統領選の深まる悩み』)。
この二人に代わる次世代のリーダーとなり得るのが、各州の知事だ。とりわけ完全制覇で州議会を味方につけた州知事にとっては、政策運営でも実力を示す好機となる。
共和党では、再出馬を表明したトランプ氏に、かつてのような勢いが感じられないなかで、対抗馬になり得る州知事には熱い視線が集まっている。
中間選挙後に行われた共和党州知事の会合では、ニューハンプシャー州のスヌヌ知事が、「(この中に24年大統領選挙での共和党の候補となる人物がいるのは)間違いない」と明言しているほどだ。
有力視されているのが、フロリダ州のデサンティス知事だ。
今回の中間選挙で圧勝で再選を決めただけでなく、州議会でも上下両院で多数派の共和党が議席を増やした。
デサンティス氏は、民主党による多様性に寛容な政策を批判し、保守的な価値観を強調してきた。
その象徴が、学校で性的指向や性自認などを論じることを禁じる州法の制定で、議会の多数派が共和党だったからこそ実現できた実績だ。
教育に対する考え方にも特色がある。学校教育の問題でデサンティス氏が持論として繰り返し主張するのが、教育や授業のカリキュラムは「教師ではなく、親の意向を重視すべきだ」という考え方だ。
様性のような価値観を教えるかどうかは、親の意向で決めるべきであり、教師の価値観を押しつけるべきではないというわけだ。
民主党の支持基盤である教職員組合への反発やその力を弱める狙いもあり、コロナ対策でも、教員労組が望んだ学校閉鎖に強硬に反対し、対面での教育を求める子育て世代の支持を集めてきた経緯がある。
教育で親の意向を重視する点は、同じく共和党でトランプ氏の対抗馬とされるバージニア州のヤンキン知事も同様だ。
州政府における教育への取り組みは、24年の大統領選挙に向けて全米での論点になっていきそうだ。
このほか、上院の決選投票でトランプ氏の推薦候補が敗れたジョージア州で、楽々と再選を決めたケンプ知事も、ポスト・トランプのリーダー候補として評価が急上昇している。



