米国イリノイ州シカゴで「緊急抗議行動」が行われ、数百人がフェデラル・プラザに集まり、レバノンとガザで続く爆撃を非難した米国イリノイ州シカゴで「緊急抗議行動」が行われ、数百人がフェデラル・プラザに集まり、レバノンとガザで続く爆撃を非難した Photo:Anadolu/gettyimages

イラン攻撃「不支持」が54%
若者層の政権支持率、24%まで低下

 イランに対する米国の軍事攻撃は、ガソリン価格の高騰などを通じて、米国経済にも暗い影を投げかけている。11月の議会中間選挙に向けて、世論の批判が強いインフレ対策での巻き返しを狙っていたトランプ政権としては、悩ましい展開だ。

 軍事攻撃への米世論の評価は芳しくない。世論調査専門家のネイト・シルバー氏による各種世論調査の4月1日時点の集計によれば、トランプ大統領のイラン政策を支持しないと答えた割合が54%に達している。

 ただでさえ低かったインフレ対策に対する支持率も32%にまで低下しており、経済面からも支持率に下押し圧力がかかっているようだ。

 トランプ氏の岩盤支持層であるMAGA(Make America Great Again、「米国を再び偉大に」)派の支持も、少しずつ揺らぎ始めている。

 3月27日から30日にかけて、英エコノミスト誌がYouGovと行った世論調査では、MAGA派の81%がトランプ氏のイラン政策を支持すると回答しており、3月6日から9日にかけて行われた世論調査での91%から低下した。

 もっとも、MAGA派の大多数が依然としてトランプ氏を支持している状況に変わりはない。エコノミスト誌などによる3月27日から30日にかけての調査では、大統領の支持率が35%となったが、MAGA派に限れば92%が支持を表明している。

 むしろ支持率で顕著なのは、若年層のトランプ氏離れだ。

 同じエコノミスト誌などの調査では、18~29歳の回答者によるトランプ氏の支持率は24%まで低下している。第2次政権発足直後の25年1月26~28日の調査では、この年齢層からの支持率は48%と、30%前後だった第1次政権当時より高かった。

 今では逆に第1次政権より低い水準に沈んでいる。

 軍事攻撃の前から、物価高などによる生活の負担の増加や、さらにはAI(人工知能)の実装化が進む中でAIに雇用が代替される不安などが強まっていた中で、Z世代(1997年から2010年前後生まれ)といわれる30歳より若い世代の間で、トランプ氏にかけた期待が揺らぐのは自然だ。

 時を同じくするように米国では、こうした若年層の間で、「2016年」当時の米国社会を懐かしむ「ノスタルジア」が広がる。