米国とサウジアラビアの間でここにきて関係改善の兆しが出ている。昨年10月にはサウジが米国の要請を振り切って原油減産に踏み切ったことで、両国関係はかつてない水準まで冷え込んだが、足元ではイランという共通の敵に対抗するため、安全保障面での連携強化へとかじをきりつつある。両国の当局者が明らかにした。背景には、イランを巡る懸念の増大に加え、米国のガソリン価格下落や昨年の米中間選挙での民主党の善戦で、歩み寄りのしやすい環境が整ったことがある。減産を遅らせるよう求める米国の要請をサウジが突っぱねると、米国では中間選挙を1カ月後に控え、減産決定によるインフレ高進を心配する声が高まり、ジョー・バイデン米大統領は議会と協力して、サウジに報復措置を講じる構えをちらつかせていた。
米・サウジに雪解けの兆し、イランの脅威に共闘
イラン封じ込めに向けた軍事・情報面での連携を進めている
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