中国で10月に開催された共産党大会は、習近平国家主席にとって政治的勝利をもたらすはずだった。しかし、大会が終わるころには、同氏が掲げる新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策が、機能しているとは主張し難い事態になっていた。中央政府本部には全土で感染者が増加しているとの報告が入ってきていた。過去3年おおむねコロナ感染の拡大を食い止めてきた厳格なロックダウン(都市封鎖)にもかかわらず、感染者は急増していた。中国政府の意思決定に近い当局者や政府顧問が明らかにした。ゼロコロナ政策は高い代償を伴った。中国の輸出や小売売上高は急減し、地方財政は枯渇し、国民の一部は限界ギリギリまで追い込まれた。
習近平氏のゼロコロナ撤回、どう決断に至ったか
相次ぐ抗議行動と政府各方面からの緊急要請でついに政策転換を迫られることに
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