韓国サムスン電子が6日発表した10-12月期の暫定決算は、メモリーチップ市場の低迷を背景に、予想外に利益が急減した。市況の冷え込みがいつまで続くかは、サムスンが野心的な生産拡大目標をどれほど迅速に見直すか――そもそも見直すかどうか――にかかっている。営業利益は前年同期比で69%減少し、2014年以来の水準に沈んだ。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめた市場予想も大きく下回った。同社は月内に正式な10-12月期決算を発表する。サムスンの利益が減少すること自体は驚きではないが、それでも落ち込みは想定以上だった。電子機器の需要低下で在庫が積み上がり、サムスンの稼ぎ頭であるメモリーチップ価格の急落を招いた。モルガン・スタンレーは、データの一時保存に使う「DRAM」と、データの長期記憶に使う「NAND型フラッシュメモリー」の双方について、サムスンの販売価格が10-12月期におよそ2割下がったと分析している。メモリーチップの主要顧客であるアップルの中国生産に支障が生じたことも、利益の下振れ要因となった可能性が高い。
半導体不況、長引くかどうかはサムスン次第
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