ギラギラした野心家は一体どこへ行ったのか。米法律事務所ニクソン・ピーボディーでは、アソシエイト弁護士が週末勤務を断ることが増え、パートナー弁護士は急を要する仕事を終わらせるため、何人もの若手に声をかけて支援業務を頼まざるを得ない。独立系保険代理業のTGSインシュアランス(テキサス州ヒューストン)では、管理職ポストを埋めるために上司が部下をなだめすかして応募させる必要がある。マーケティング・広告企業パルプ・アンド・ワイヤ(メーン州ポートランド)は社員が以前より休暇を多く取得するようになったため、今年は一斉休業を2週間予定している。「以前よく目にした仕事への情熱は今や下火となり、それを感じさせる社員は減っている――少なくともこの2年間は」。デジタル・チケットスキャナーを製造するZEDデジタル(オハイオ州コロンバス)のスミスラ・ジャガナス社長はそう話す。最近、同社は約20人分のエンジニリングおよびマーケティング担当のリモート職をカナダとインドに移した。期待以上の働きをする人材がそこなら容易に見つかるとジャガナス社長は言う。