中国資産の2023年の運勢は回復を示唆していると市場ストラテジストは言う。だが実際に海外から資本が戻るには時間がかかるかもしれない。中国の主要清算機関2社によると、海外投資家は22年2月以降、同国債券市場から1000億ドル(約13兆2000億円)以上を引き揚げた。香港のストックコネクト(中国本土市場との株式相互取引制度)を通じた外国機関投資家による22年の元建て株式の買越額は130億ドルで、21年の630億ドルから大きく減少した。中国資産を手放す動きは、ロシアのウクライナ侵攻や中国政府のゼロコロナ政策を受けたもので、昨年は人民元の対ドル相場も大きく下落した。政府は投資家の懸念材料の一部に対応し、年終盤にはコロナ関連規制をおおむね撤廃。また成長に再び注力すると言明し、苦境にある不動産業界の救済策も打ち出した。