たった90日で劇的に成績を上げる新メソッド、一挙公開! 学年最下位をとっていた落ちこぼれが、勉強に目覚め、たった90日で「京大模試D判定⇒A判定&全国1位」に。そして京大に合格。そのときの勉強法を再現性あるものに練り上げ、「いつ、どの教科を、どう勉強するか」という受験戦略を構築。その勉強メソッドをまとめた『逆転合格90日プログラム』が10月11日に発売された。この特別寄稿は、その著者であり、予備校講師として、京大、早慶、医学部など、多数の合格実績を叩き出している篠原好氏が語る「共通テスト対策」だ。

来年の共通テストを大胆予想! 今からできる、すぐ効く勉強法Photo: Adobe Stock

共通テスト、来年はどうなる?

 共通テストが終了し、各予備校から予想平均点が発表されました。

 実際に今年の問題を解いた上で「では、来年はどんな問題が出題されるのか?」を予言いたします(本記事の「今年の予想平均点」は河合塾Kei-Netより引用)

英語の平均点は?

英語リーディング
今年の予想平均点 54
昨年の平均点 61.80

英語リスニング
今年の予想平均点 63
昨年の平均点 59.45

英語はどうなる?

 先述の通り、英語のリーディングは問題数が増加しました。文章の内容も「日常生活っぽい英文」ではなく「学術的でセンター試験っぽい英文」になりました。

 今後は、「日常系」を出しつつも、「学術的な英文」も出す、という傾向になると思われるため、高得点を狙う受験生であればあるほど、要求される速読力・単語力が増え、大変な試験になると考えます。だからこそ、早めの速読力強化の勉強が必須です。

 また英語のリスニングは平均点が上がりました。とはいえ、英語リスニングは1問3点程度ですので、昨年度とくらべて大きく簡単になったとは思いません。

 英語リスニングでは「e-Sports」の話を出すなど、高校生が親しみやすい問題を出題しましたし、問題のレベルも毎年同じで、非常に品質が高い傾向にあります。しかし、経験上、共通テストのリスニング対策だけをやっている受験生は、点数が伸び悩む傾向にあります。高得点を狙うなら、「二次試験でリスニングを問われてもいい」ぐらいのリスニング力を鍛えておいた方が良いと考えています。

数学の平均点は?

数学Ⅰ・数学A
今年の予想平均点 56
昨年の平均点 37.96

数学Ⅱ・数学B
今年の予想平均点 62
昨年の平均点 43.06

数学はどうなる?

 数学はⅠA・ⅡBともに、昨年度よりも簡単になりました。これは、昨年度の試験が異様に難しかったため、今年が「簡単」というわけではありません。

 数学は「センター試験」から「共通テスト」に代わり、「数学を日常生活で使うとすると~」というような問題を多く出すようになりました。結果的に、問題の文章が長くなったり、計算式が複雑になったりと、かなり難しい試験になりました。

 ただし、今年は誘導を丁寧につけることで、問題自体の難しさは変わりませんが、解きやすくはなった、という印象です。しかし、「問題自体の難しさが変わらない」と言ったように、最後まで解き切ることは難しい試験でした。

 おそらく、この傾向は今後も続くと思います。今できることは、「計算力の強化」です。正確で早く計算することができるようにすることが重要です。

国語の平均点は?

今年の予想平均点 106
昨年の平均点 110.26

国語はどうなる?

 国語は、平均点がやや下がりました。私は評論文と漢文が難化したと考えております。

 まず、評論文は「ル・コルビジェ」という建築家を2つの違う著者が書いた文章で検証するという出題形式でした。これは、昨今の情報社会でも「1つの情報源だけを鵜吞みにしない」ようにして欲しいというメッセージだと考えています。

 また、小説文では「第二次世界大戦直後のサラリーマン」の話を出しました。出題予想としては、今後も高校生になじみがない主人公の小説が出題されると思います。小説文では、ずっと出題されていた「用語」の意味を問う問題が無くなりました。評論文の漢字も出題が平易になっており、単純暗記を問う問題は出さなくなりつつあります。

 一方、古文は和歌の解釈を出し、漢文でも難しい句形の読解を問いました。現代文では単純暗記の能力は問わなくなってきたのですが、古典では文法的な知識を問う問題が目立ちました。良く言えば「バランスよく出題している」、悪く言えば「ちぐはぐで中途半端」な問題だと感じました。

 しかし、全体的な難易度調整は非常に見事だと思います。国語は1問あたり8点という、非常に大きな配点が目立つのですが、昨年度から4点だけ平均点が変更(200点満点なので2%)という、巧みな難易度調整でした。

 特に、漢文は「白居易」という漢詩における超有名人の文章を出題したのですが、漢詩自体は出しませんでした。共通テストになってから、漢詩は毎年出題していたので、「今年も漢詩を出す」と出題予想したのですが、これはハズれました。

 ただ、おそらく「白居易」の文章を使ったということは、漢詩の出題をする気はあったのだろうと思います。全体の難易度調整の中で、作ったけど出題はしなかった「幻の問題」として、漢詩の問題はあったのだろうと推測します。

 来年の受験生は、「細部の文法知識」を入れながら、「全体像をとらえる読解力」を磨く必要があります。