新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
キヤノン、ニコンも20%超の増収
HOYAだけ1桁増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は2022年8~12月期の四半期(4社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キヤノン
増収率:21.1%(四半期の売上高1兆1572億円)
・ニコン
増収率:25.9%(四半期の売上収益1678億円)
・HOYA
増収率:1.3%(四半期の売上収益1735億円)
・富士フイルムホールディングス
増収率:13.5%(四半期の売上高7443億円)
カメラ/光学/複合機業界4社はいずれも前年同期比で増収となった。HOYAを除く3社が2桁増収となっている。一方、HOYAは1.3%増という他社と比較して低調な結果となった。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収の要因を解説する。