新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はSGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
佐川急便は大幅に減収
ヤマトは微増
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界2社。対象期間は2022年8~12月期の四半期(2社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・SGホールディングス(佐川急便)
増収率:マイナス17.3%(四半期の営業収益3643億円)
・ヤマトホールディングス
増収率:1.0%(四半期の営業収益5122億円)
物流業界の主要2社では、SGホールディングスは減収で、ヤマトホールディングスが増収となった。
特に、SGホールディングスは前年同期比マイナス17.3%という2桁の大幅減収だ。
同じ物流業界なのに、なぜ両社の間に格差が生まれたのか。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、業績について詳しく解説する。