天然ガス価格に上限を設ける欧州連合(EU)の新制度が物議を醸しているが、その抜け穴を見つけるのに、それほど時間はかからなかった。この上限は昨年12月にEUが合意したもので、2月15日に発効した。これで域内の天然ガス価格は1メガワット時当たり180ユーロ(約2万5800円)が上限となる。欧州の天然ガス価格指標であるTTFの翌月物が3日連続でこの水準を上回り、さらに液化天然ガス(LNG)の指標価格を35ユーロ超上回ると上限が発動される仕組みだ。EUの政治家が昨年夏のような事態は避けたいと考えるのも当然だろう。当時はTTFが過去最高値となる350ユーロに達し、エネルギー集約型の製造工場は閉鎖に追い込まれ、消費者が支払う料金も上昇した。
EUのガス価格上限、早くもほころび
今回のエネルギー市場への介入はリスクが高いと同時に無意味なものに見える
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