ロシア経済が中国人民元への依存を強めている。西側の金融システムから排除され、ドルの調達が難しくなっていることで、代替の選択肢として元が急速に浸透してきた。 エネルギー輸出業者は人民元で代金を受け取るケースが増えている。ウクライナ侵攻に伴う戦費の原資を提供するロシアの政府系ファンド(SWF)は、石油収入を元建てで運用する比率を高めた。ロシア企業は元建てでの借り入れに乗り出しており、人民元で預金する家計も増えた。 ロシア国内で人民元の存在感が高まっていることで、中ロ関係はさらに結びつきを深めている。中ロはかつて地政学上のライバルとして互いに影響力を競い合ってきたが、ここにきて西側諸国に対する不満が両国を急接近させている。また、中国にとっては、国際金融や貿易における人民元の地位向上を目指す長年の取り組みを後押しすることにもなる。