米金融大手ゴールドマン・サックス・グループが完全に退屈な存在になることはないのかもしれない。それでいいのだ。この「ウォール街の巨人」は2月28日の投資家向け説明会でグループ全体の新たな収益目標を設定せず、「株主資本利益率(ROE)で14~16%」という当面の目標を維持した。過去3年間の平均は14.8%で、目標範囲内に収まっている。同社が初の投資家説明会を開いた2020年初め以降に世界でさまざまな出来事があったにもかかわらずだ。もっとも、ゴールドマンのROEは浮き沈みが激しく、投資家が同社株を評価する上で大きな障害となることが多い。同社のROEは22年に10%となり、21年の23%から大幅に低下した。