米ドルに連動したステーブルコイン「テザー(USDT)」の関係企業は2018年末、世界の銀行システムへのアクセス維持に苦労していた。資料によると、これら企業の一部関係者は正体不明の仲介者や偽造文書、ペーパーカンパニーを利用して銀行システムに接続しようとしていたことが分かった。テザー・ホールディングスのオーナーの一人、スティーブン・ムーア氏は電子メールの中で、仲介者の一人である中国の大口トレーダーが「預け入れと引き出しのたびに偽の請求書と契約書を提示して銀行システムをくぐり抜け」ようとしていたと記していた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が電子メールを確認した。複数のメールによると、ムーア氏は偽の請求書や契約書を使い続けるのは危険すぎると指摘し、口座を開設しようとするのをやめるよう勧めていた。ムーア氏は請求書や契約書に署名していた。同氏は「詐欺やマネーロンダリングの事件になってそんなことを主張したくない」と記していた。
テザー社など、銀行口座開設に偽文書を利用
有料会員限定
あなたにおすすめ