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年収1400万円超、都内在住の共働き夫婦。誰もが羨む「勝ち組」のはずが、通帳の残高はほぼゼロ、借金は300万円に膨らんでいた。引き金となったのは、2024年に始めた新NISAへの積み立てだった……。お金を増やすためのNISAで、なぜ家計が破綻してしまったのか?(家計再生コンサルタント 横山光昭)
SNSや周囲の声に煽られた「外側の理由」で始める投資
「投資を始める」という人の多くは、本来「このくらいなら今の家計状況でも無理なく積み立てていけるだろう」と、余裕を持って計画するものです。ですが、最近は少し様子が違います。
「みんなが無理してでも投資はすべき」「積み立て額は毎月5万円はすべき」、SNSで「老後のため1億円を目指そう」と言っていたから、など、自分の家計状況とは別の、いわば「外側の理由」で始めてしまう方が増えているようです。
見栄や欲がきっかけで投資を始めたとしても、収支が回っているうちはいいでしょう。しかし、「積立額」を優先するあまり、無理な捻出を繰り返して家計を圧迫し、結果として借金を作ってしまう……。
これでは本末転倒です。投資は本来、余剰資金、つまり「毎月の生活費に充てなくてもいいお金」で行うのが大原則。ここを履き違えると、お金の流れは一気に悪い方へと変わってしまうのです。
世帯年収1400万円超の「勝ち組夫婦」が抱えた300万円の借金
「これだけ身を粉にして働いているんだから、お金に困るはずがない。そう信じ込んでいたんです」
相談室の椅子に浅く腰掛け、落ち着かない様子で話し始めたのは、都内の大手広告代理店で働く馬場昭雄さん(仮名・45歳)。隣には、外資系企業でマネジャーを務める妻の千恵子さん(仮名・43歳)が座っています。5歳と2歳、育ち盛りの2人のお子さんを抱え、世帯月収は手取りで80万円超。ボーナスを含めれば年収1400万円を優に超える、世間でいう「勝ち組」のパワーカップルです。
仕事に打ち込み、必要な支出をしていただけ。そう思っていたご夫婦ですが、現在の貯金額は、なんと「ほぼゼロ」。それどころか、数年前から膨らみ続けたクレジットカードのリボ払いと、生活費補填のためのキャッシング残高が、夫婦合わせて300万円に達していました。







