今年12月22日から銀行による保険販売が全面解禁され、生損保会社の主力商品を今後は銀行窓口で購入することが可能となる。営業職員を抱える大手生保はいまだ窓販には慎重だ。しかし、外資保険、銀行などの期待は高く、大手生保といえども窓販に乗り出すのは時間の問題。生保各社の競争が過熱することで、業界再編の動きも始まりそうだ。
「またニッセイが、ちゃぶ台をひっくり返すんじゃないか」
銀行による保険窓販の全面解禁を望む関係者らは今年7月、生命保険協会長に就任直後の岡本圀衞・日本生命保険社長の定例会見を聞き、身構えた。
そのわずか1ヵ月前、第一生命の斎藤勝利社長は最後の協会長会見で解禁に前向きな発言をした。
ところが、新協会長に就任した岡本協会長は「解禁に当たっては体制準備やコンプライアンスに問題がないか検証が必要だ」と解禁延期を匂わせた。
営業職員を死守したい大手生保は銀行窓販に難色を示してきた。なかでも「最大の抵抗勢力は日本生命」(保険関係者)。銀行関係者らにしてみれば、日生の底力は3年前に思い知らされている。
2001年4月以降、銀行が販売できる保険商品は段階的に解禁されてきた。
金融審議会(首相の諮問機関)は2004年3月、2005年4月の一部解禁と2007年4月の全面解禁を答申。だが、2004年7月に日生の宇野郁夫社長(当時)が生保協会長に就任してから、流れが変わった。