名古屋駅の地下街「メイチカ」が営業休止
バブル期に若者でにぎわった「名鉄レジャック」は閉館
名古屋駅でJR東海によるリニア中央新幹線・名古屋駅の建設に伴う再開発が進行中だ。これに歩調を合わせるかのように、築50年以上が経過した周囲のビルや地下街の再構築も進んでいる。
名古屋駅の地下街「メイチカ」が、3月末をもって閉鎖する。1日4万人が通過する地下街は1957年の開業から70年近く経過しており、これを機に空調設備・天井・床を入れ替え、4年後の2026年度をめどに再オープンを目指しているという。
メイチカには往年のファンが通う名店があまたある。一例として、エビフライサンドが名物の「喫茶コンパル」(メイチカ店)や、穴子と角麩を使った郷土料理「切り寿司」が評判の「廣寿司本店」(名駅前メイチカ店)などだ。これらを含む約20店舗が、3月末をもって閉店するとあって、春休みシーズに入った3月下旬、メイチカはいっそうにぎわいを見せていた。
メイチカから、名古屋鉄道の名鉄名古屋駅、近畿日本鉄道の近鉄名古屋駅があるエリアへ進むと、名鉄百貨店と道路を挟んで向かいにある商業ビル「名鉄レジャック」が見える。レジャックもまた、3月に営業を終了する。
このビルは、「若者のレジャーをジャックする」というコンセプトの下、1972年に開業。81年にオープンしたディスコ「ラジオシティ」やボウリング場は、名古屋圏の若者の遊びを牽引した場所だった。
しかしバブル崩壊とともに客足が遠のき、売り上げは右肩下がりに。92年度の39億円をピークに、2021年度には10億円程度にまで落ち込んだという。空きフロアが名鉄百貨店の事務所になるなど、商業施設としては苦境に陥っていた。
ビルの老朽化と、建物オーナーとの賃貸借契約が満了することを理由に、営業終了を発表したのは22年6月のこと。同年秋以降は閉館に向けたキャンペーンを行ってきた。ちなみに、「レジャック・ボウリング」では、限定100本で売り出した「ボウリングピン」が早々に売り切れたという。